「かつお一本釣り日本一」日南市南郷町





傷みやすいかつおをいち早く水揚げするため、船体はスピードが出やすい
スマートな造りとなっていて、「ホースベッド」(バウスプリット)と呼ばれる、
大きくせり出した船首部分が特徴です。

かつおの食いが良い船首付近で多くの船員が釣りを行うため、船首を大きく前方に張り出したのが「ホースベッド」の始まりとされています。

釣る場所は主に左舷側だけで、かつおをおびき寄せる散水機もこちら側のみに設置。
釣り上げられたかつおは釣り座後方に備え付けられた傾斜のある板の上に落ち、その下にあるベルトコンベヤーで自動的に魚倉まで運ばれる仕組みとなっています。
操舵室とも呼ばれるブリッジには操舵機器のほか、漁労電子機器や水温・潮流図、衛星利用測位システム(GPS)のモニターなどが並び、船の守神「船霊さま」を安置する祭壇も置かれています。

甲板員は目的地に向かう自動操舵中、ここで当直態勢をとり、航海進路を見張ります。
ブリッジ上部には「海鳥レーダー」や「ブイレーダー」などのアンテナが回り、海中を360度捜索できるソナーは船底に設置してあります。それぞれのモニターはブリッジや「見張り台」にも据え付けられています。
船の中央部を占める魚倉は、漁獲物の冷蔵保存用。以前は氷を使っていましたが、現在は内蔵に冷凍パイプをはわせて、冷えた塩水で管理しています。
船の心臓部である機関室は2層構造で、長さ5メートルほどもある巨大なエンジンや発電機、魚倉の冷却装置などが所狭しと並んでいます。

食堂と調理場は同部屋になっていることが多く、食堂といっても大人4人がやっと使える程度の座席があるぐらいです。
日中はすぐに操業態勢に入れるよう、船尾で食事をとることがほとんどです。
船には風呂やトイレのほか冷暖房も完備。
船員は操業の後、風呂に入ってさっぱりし、当直の時以外は自分の寝台でリラックスして英気を養います。

かつお一本釣漁船は、かつおを釣るためだけに特化し、進化してきました。
中でも119トン型は流麗な船型で機能的にも完成された「究極のかつお船」とされ、漁師の厚い信頼を得ています。









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